第8回 社会情報システム学シンポジウム 講演論文集,2002
清田行有,山本仁志,太田敏澄
要旨:我々は、個人の消費行動を理解するためには、購買時のリアルタイムな感情が購買に与える影響を考慮する必要があることを主張する。このことは近年、顧客重視の経営戦略が重視される中、例えば経験価値マーケティングの領域として発展している。我々は、消費者が商品を選択する際に、従来のニーズ調査で重視されている機能・利便性といった固定的尺度だけではなく、その場の感情や状況が重要な影響を与えていると考える。我々の目的は、購買に対するリアルタイムな感情の影響を検証し、新たな顧客要求を把握する手法を提案することである。更に、調査手法としてのモバイルツールの特徴も検討する。消費者のニーズを調査する実験を、従来の質問紙調査とモバイルツールを用いたリアルタイム調査で実施して、差異を考察した。実験では、「夜食」に対する要求や購買の理由を調査した。実験結果から、質問紙や日中の調査から得られる夜食への要求と、実際に夜食の時間に求める要求では、後者のほうが感情的な基準が強く影響することがわかった。
キーワード:
モバイルメディア, 経験価値マーケティング, 経験サンプリング法, インターネットマーケティング
謝辞:
創価大学経営学部学生の皆さん、東京理科大学工学部経営工学科学生の皆さんのご協力に深く感謝いたします。
Proceedings file (PDF) (6 pages)