石田芳文,山本仁志,岡田勇,太田敏澄
要旨:相互作用関係がスケールフリーネットワークである繰返し囚人のジレンマにおいて,協調は安定的に維持されるのであろうか?また,協調を安定的に維持するためにはどのような方策が望ましいだろうか.我々は,エージェントの相互作用関係がスケールフリーであるネットワークに対し,協調の進化と崩壊の動的なメカニズムを明らかにするために,エージェントベースドシミュレーションをおこなった.我々の成果は,以下の通りである.(1)スケールフリーネットワーク上の囚人のジレンマにおいて,協調は達成されるが脆弱であり崩壊しやすい.(2)ネットワークの接続次数の高いエージェントが寛容になることが協調の崩壊を招き,また厳格になることで協調は最も高いレベルで維持される.(3)ネットワークの接続次数の高いエージェントが,一定の確率で裏切り行為をとることで,集団全体の寛容性を抑制し,裏切り戦略の侵入を防ぐ効果がある.
(Preliminary draft)このファイルは草稿です。最終バージョンは、日本ソフトウェア科学会(http://www.jssst.or.jp/)にお問い合わせください。または、「石田芳文,山本仁志,岡田勇,太田敏澄, ネットワーク構造がもたらす協調の頑健性と脆弱性 , コンピュータソフトウェア,Vol.24,No.1,pp.70-80, 2007.」を参照してください。