山本仁志,諏訪博彦,岡田勇,鳥海不二夫,和泉潔,橋本康弘
要旨:本研究の目的は,ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)サイトにおけるコミュニケーション構造の推移に着目し,SNSのライフサイクルにある種の法則性を見出すことである。我々は,SNSにおけるコミュニケーションのされ方の移り変わりに着目し,コミュニケーション関係は固定的に維持されるのか,推移していくのか,コミュニケーション関係はフレンドネットワークと近いのか,無関係なのかといったコミュニケーションの性質を表す因子を抽出している。これらの指標から,コミュニケーション構造の推移を明らかにし,その推移をライフサイクルとみなしSNSを分類している。分類したSNSのネットワーク構造や活性化の度合いを比較し,さらに特徴を分析している。その結果,現実の人間関係がベースとなるSNSは規模が小さく密なコミュニケーションがなされていることを確認している。また,ファンサイトのような対象物を中心としたSNSは,初期に開拓的であるものがより活性化することを確認している。
キーワード : SNS,ライフサイクルモデル,コミュニケーション構造,オンラインコミュニティ