日本社会情報学会 第15回全国大会 予稿集,2000.
山本 仁志,太田敏澄
要旨:本研究では、Knowledge Managementにおいて、知識をコンテクストの中に位置付けられた知識として扱う方法論として、Project Profileというフレームワークを提示する。更に、効果的な知識の流通、創造機構である、Knowledge Communityのメカニズムに関しての考察を行う。 Project Profileは、知識にコンテクストを与える重要な方法論である。コンテクスト中心のKnowledge Managementが、企業におけるKnowledge Management成功の鍵となる。個々の知識はコンテクストの中で、どの位置に存在し、どのように使われたのかが重要である。断片的に存在する知識では問題解決に有効な解決策を示せない。何故なら、企業や個人が直面する解決すべき問題と、蓄積された知識の関係性は、シナリオ・コンテクストに基づいて比較しないと理解できないからである。しかし現在、Knowledge Managementとして実践されている戦略の大半は、知識を取り巻くのコンテクストに対して考慮がなされていない。例としては、社内Intranetの個人Home PageやKnow-Who Database、提案書などのドキュメントの共有、などが挙げられる。 また、Knowledge Communityは、知識創造を発展させる。組織における知識創造のためには、組織内の個々の成員による自主的コミュニティの生成・発展が重要である。これは、各個人が持つ、形式的に表現しにくい領域の知識は、「質問」に対する「回答」や「議論」を通じることで、はじめて普及・流通することが可能になるからである。知識の効果的な流通には、コミュニティが重要であるという研究や、Knowledge Management戦略の中心にコミュニティを据えるべきという議論がある。しかし、なぜコミュニティがこうした課題に対して有効なのか、をコミュニティのメカニズムにまで遡って議論した研究がなされていない。本研究において、この点を明らかにする。また、コミュニティに必要な要件を提示する。
Abstract:In this study, we propose a project profile as a methodology that extracts knowledge from a project context. Without the context, we cannot use the knowledge. Next, we also propose a knowledge community to create knowledge. For the knowledge creation in an organization, it is important to focus generation and development of the community by each member in the organization. A present knowledge management theory may not meet with the problems. Under rapidly changing management environment, this study would provide an important perspective for an enterprise to survive in a market.
Keywords:
Knowledge Management, Organization Learning, Project Profile, Knowledge Community.
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