諏訪博彦,山本仁志,岡田勇,太田敏澄
要旨:持続可能な社会の実現のために、様々な方法で環境問題の解決が試みられている。しかし現状では、環境教育プログラムによって環境に対する態度は変化させられるものの、環境配慮行動を促す効果的なプログラムの開発は不十分である。我々は、どのような「環境に配慮する態度」をもっている個人が、「環境に配慮する行動」を実行しているのかを明らかにしたい。このために、既存の環境教育カリキュラムの順序性と心理的プロセスを援用し、人々が環境に対してどのような関心や動機を持ち、行動を行っているのかに関して質問紙調査を行った。調査結果を基に環境配慮行動を促す環境教育プログラム開発のための関心・動機・行動間のパスモデルを構築した。その結果、意識的環境配慮行動を規定する要因として、費用負担意思がもっとも高い影響を及ぼしていることがわかった。
キーワード :
環境教育、環境配慮行動、パスモデル