スケールフリーネットワークにおける協調の進化〜繰り返し囚人のジレンマゲームによる分析〜

,2005年 経営情報学会 春季全国研究発表大会 予稿集,pp.332-335,2005.

石田芳文,山本仁志,太田敏澄


要旨:

本論文の目的は、繰り返しのジレンマ(Iterated Prisoner’s Dilemma: IPD)ゲームの対戦相手の構造にスケールフリーネットワークを用い、協調の進化のメカニズムについて論じることである。IPDにおいて、協調行動が成り立つことはいくつかの先行研究によって論じられているが、現実社会における取引やコミュニケーションの関係を表現できていない。そこで我々は、スケールフリーネットワークを用いたエージェントベースド・アプローチを採用し、エージェントの戦略の振舞いを議論する。シミュレーションの結果から、スケールフリーネットワークを有するIPDにおいて、協調は接続数の少ないエージェント同士が協調することを発端に進化すること、ネットワークの中心となる寛容なエージェントが搾取されることを発端に崩壊することがわかった。これは、現実社会における中心人物が、厳格である必要があることを示唆する。


Keywords:

スケールフリーネットワーク, 囚人のジレンマ, 協調の進化


proceedings(4 pages)

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